五行巡り茶(2)

五行巡り茶

③五行巡り茶/土(ど)

東洋医学では、土は脾(胃腸)に例えられます。
疲労感、食欲不振、胃弱、重だるさ、むくみ、食べると眠くなるといった不調は、体の中にたまった「湿」によって起こります。つまり、飲食で取り込んだ水分がスムーズに流れずに滞ったり、摂取過剰により余分な水分が体内にたまってしまうと 、むくんだり冷えたりします。それだけでなく、胃腸の機能が低下し、食事をしても食べたものから気や血をうまく作れなくなります。そうなると、人によっては食欲が低下して衰えてしまったり、逆に食べ過ぎて太ってしまったり。共通するのは、体が重だるく動くのがおっくうになり、筋肉量が落ちてしまうことです。

●東洋医学における脾(ひ)の役割 ※西洋医学でいう「脾臓」とは異なります

・飲食物の消化吸収をコントロールする役割
・唇から胃腸、肛門まで消化器系の働きを司る役割
・血液や大小便などが漏れ出ないようにする役割
・内臓が下垂したり、脱出しないよう留める役割

自然界で土は命を育む土台となるように、人間の活動のエネルギーの土台となる「胃」を整え、栄養を全身に巡らせることはとても大切です。「五行巡り茶/土」はお腹の調子を整え、肌荒れや、体の重だるさなどを改善します。 ショウガやオレンジ、ウコンなどが配合された黄色いお茶で、さわやかで優しい香りに癒されながら、お腹の調子を整えましょう。

五行巡り茶
体質に合わせたお茶でほっと一息…
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④五行巡り茶/金(きん)

東洋医学では、金は肺に例えられます。
季節の変わり目や気候の変化時に風邪、鼻水や鼻詰まり、咳、呼吸が浅くなったり、声が低くなったり、声に力が入らなくなったりなどの症状は肺の機能が影響しています。

●東洋医学における肺(はい)の役割 ※西洋医学でいう肺臓とは異なります


・呼吸をコントロールする役割
・全身の水分の循環をコントロールする役割
・ウイルスや細菌等への防衛機能をコントロールする役割

東洋医学における肺は、呼吸で気を巡らせ、全身の隅々へ水分を行き渡らせる働きを持っています。肺は乾燥に弱いため、乾燥から守り、うるおいを与えることが大切です。秋から冬にかけては乾燥するため、肺の気が落ちて防衛力が弱くなり風邪を引きやすくなります。肺をいたわる事により、体の防衛力を高めてウイルス、細菌、花粉などの外邪から抵抗できる力をつけましょう。

また、肺の働きは大腸、肌、体毛とも関りが深いとされています。肺の働きが整うと、お通じがよくなったり肌がきれいになったり、美容面でもうれしい効果が期待できます。実際に、便秘が続くとニキビや肌荒れが起こってしまうというのは、多くの方が経験したことがあるのではないでしょうか。また、人間の体は弱っている部分の体毛が濃くなる傾向がありますので、体毛の濃さにお悩みの方にもおすすめです。

「五行巡り茶/金」はミント系の 爽快な香りと、肺を潤すハト麦が配合され、さっぱりと香ばしく飲みやすいお茶です。寒く乾燥するこの季節、肺をいたわることで、風邪を予防し、声の通りを良くしつつ、便秘によるお腹の張りや肌荒れ・毛深さを改善して健康的な美しさを手に入れましょう。

⑤五行巡り茶/水(水)

東洋医学では、水は「腎」に例えられます。
腰痛、膝痛、足腰の冷えやむくみ、頻尿や尿モレなど尿のトラブル、性欲の減退、耳鳴り、難聴、物忘れ、ぼんやりしやすくなってきた、などのお悩みのある方は、腎気が弱っているとされます。また、生まれつき虚弱体質で発育が悪い方も、腎精不足と捉えます。

●東洋医学における腎(じん)の役割 ※西洋医学でいう腎臓とは異なります

・生命力を貯蔵する役割
・生殖や成長発育、老化をコントロールする役割
・水分代謝を調節する役割

足腰の不調や物忘れは腎の衰えの大きなサイン。老化と深く関係しています。腎気が衰えると、白髪、歯や骨の衰え、肌のシワ、足腰の弱さなど様々な加齢現象が起こってきます。

また、腎は全身の水分調整、代謝と排泄の役割があり、 働きが悪くなると、夜中にトイレに何度も起きてしまったり、ふくらはぎや足首など下半身にむくみが出現してだるさを伴ったり、こむら返りが頻繁に起こったりします。腎は寒さに弱いので、冬になるとトイレが近くなったり、足腰が冷えてつらくなったりという経験は誰しもおありではないでしょうか。また、腎は若さや活力にも関連があるため、年を重ねて腎気が衰えると、若い頃にはあまり感じなかった尿のキレの悪さが生じたりします。

②でご紹介した心が体の中の「火」を担当するなら、腎は「水」を担当します。腎気を補うのに大切なのは、夜しっかり眠ること。夜更かしや昼夜逆転、多忙で体が活動モードのままだったりすると、睡眠の質は低下し、そのうち眠りたくても眠れなくなってきます。そうすると、夜に体を休めて火と水のバランスを整えることができず、相対的に火の勢いが増してしまうため、何となく胸苦しくほてった感じや、喉の渇きなども起こってきます。この状態を放置すると、腎気が衰える一方なので、老化がどんどん進んでいってしまいます。(ホラーですよね…)

ヒトは昼行性動物、つまり「昼働いたら夜休む」ようにできています。忙しい現代社会、夜も煌々と明るく、スマホを片手に気ぜわしく覚醒したままだと、なかなか夜の休息モードに切り替わりません。若いうちは余力があるので何とか持っても、年を重ねて腎気が衰えてくると、体のあちこちにガタが出てきます。本来、人の体は「休んだ分しか動けない」のです。症状で動けなくなった時は充電切れの状態。「自分の働き方、生き方このままでいいのかな?」と立ち止まった時が、バランスの立て直し時です。和漢のチカラを借りて 全身の働きを高め、水分代謝を整えましょう。腎気を補う味は程よい塩気、色は黒。「五行巡り茶/水」は、黒豆をベースとしたほっこり和を感じる味わいが特徴で、飲むと体を優しく温めてくれます。

五行分類から自分を知り、バランスを立て直すヒントを得る

以上、5種類の「五行巡り茶」と絡めて東洋医学の考え方の基本である五行論を紹介しました。当院では、初回カウンセリングにてお話を伺ったり、お体に触れたりしながら、患者様の体質を分類し、それぞれの体質に応じた施術を行っています(実際は五行分類だけではないのですが、それはまた後ほど)。施術後には体質に合わせた薬膳茶をお出しして、体の中からもバランスを立て直すお手伝いをしていきます。

時間的にお忙しかったり、経済的に余裕がなく、なかなか治療院へ通えないという方でも、こうした東洋医学の考え方から、ご自身の今の状態を知り、仕事や日常生活の過ごし方をどうするかのヒントになれば幸いです。「もっと知りたい」「個別に見てアドバイスが欲しい」などあれば、どうぞお気軽にご相談ください。

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