勉強会「薬膳で広げる東洋医学の可能性」に参加しました!

2025年3月15日(土)東京・神田の「セイリン薬膳講座」
今日の守谷は一日中しとしと雨模様です。この雨で桜のつぼみはふくらみそうですが、一方で梅が散ってしまいそう…
それはさておき、昨日3/15(土)の午後は日本の鍼メーカー、セイリンの東京・神田オフィスにて開催された「ととのうセイリン薬膳講座/薬膳で広げる東洋医学の可能性」に参加しました!
最近は勉強会もオンラインで済ませてしまうことが増えたのですが、今回は6つの体質ごとに漢方茶をブレンド・試飲するワークショップもあるということで、これはぜひ現地で参加せねばとつくばエクスプレスで神田へ。「守谷→秋葉原」間が快速だと30分ちょっとなので、意外と楽に移動できました。

講師は「漢方平和堂薬局」の西島啓晃先生。平和堂さんといえば、日本に「薬膳」という言葉を紹介した漢方界のレジェンド・根本幸夫先生が店長を務める老舗です。西島先生はそこのスタッフとして勤務される薬学博士・薬剤師・鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師で、専門的な内容を非常にわかりやすくご講義頂きました。
1.薬膳とは
「薬膳」は、古くは約2000年前の『後漢書』から記述が見られますが、広く知られるようになったのは1980年代に薬膳レストランや書籍ができてからで、「薬膳」という用語の歴史は約40年ほどと比較的新しいそうです。薬膳は次の3つのカテゴリーで分類されます。
①食養:正しい食生活
基本的な食事の質・量のバランスが取れているかということです。「栄養バランスの取れた食事を、腹八分目に」という基本の大切さは広く知られていますが、実際に実践できているかというと…「う~ん」という方も多いのではないでしょうか?(私も時々乱れがちです…)。年齢・性別・体格・運動量などで食事の必要量や栄養素は異なりますが、毎食ごとに厳密にというよりは、一日や一週間単位で帳尻を合わせたいものですね。
②食療:普段使いの食物の薬効成分を利用
「調子が悪い時は~を食べるといいよ」と昔から経験的に行われてきた、普段の食事による民間療法です。例えば、のどの痛みには「大根おろし」、むくみには「あずきの煮汁」など、いわゆる「おばあちゃんの知恵」として言い伝えられてきたものが多いです。おせんべいの「ぽたぽた焼き」のパッケージなどにも書いてあったりしましたね。手に入りやすい身近な食材を用いるため、比較的実践しやすいです。
③薬膳:漢方食材を料理に加える
「クコ、ナツメ、高麗人参」などの漢方食材を用いた料理です。いわゆる「薬膳」と聞いてパッと思い浮かぶのはこの③のイメージではないでしょうか?赤いクコの実が散らしてあるお粥や杏仁豆腐、病気の時などに良いとされる韓国のサムゲタンなどが有名ですね。食材によっては専門店でないとなかなか手に入りにくかったり、食材ごとの薬効や組み合わせを覚えるのが大変だったりと、ややハードルが高そうです。

2.東洋医学による8つの体質分類チェックリスト
私自身も鍼灸師として初回カウンセリングでは東洋医学的な体質チェックを行っております(「証立て」と言います)が、今回西島先生からご紹介頂いた「8つの体質チェックリスト」は、非常にシンプルで簡単・覚えやすく活用しやすいので、とても良かったです!ここでは、考え方の骨組みを簡単にご紹介します。
①寒証(ヒエビエちゃん)
いわゆる「冷え性・寒がり」のタイプです。一般の人でも覚えやすいよう「~ちゃん」とネーミングしたそうです。コロナ禍で流行した妖怪のアマビエちゃんみたいな響きでかわいいですね。日常生活や食事でも体を冷やさないことが大切です。
②熱証(アツアツちゃん)
いわゆる「のぼせ・熱がり」のタイプです。ヒエビエちゃんとは逆に、体の熱を取る食材や生野菜などが向いています。食べ過ぎ飲み過ぎ、スパイシーな味の濃いものは△。
③気虚(お疲れちゃん)
疲れがたまって気力・体力が落ちているタイプです。十分な睡眠・休養や胃腸に負担のかからない食事が大切です。
④気滞(モヤモヤちゃん)
ストレスがたまりがちなタイプです。気を発散させる運動や歌、香りの強い食べ物が向いています。
⑥血虚(貧血ちゃん)
栄養不足や過労などで血の気が引いたタイプです。食事や休息などで不足した血を補うことが大切です。過度のダイエットは禁物。
⑥於血(ヨドミちゃん)
血の巡りが悪く、顔色が優れないタイプです。肩こりなども起こりやすいので、血の巡りを良くする運動や食事が大切です。お酒のつまみは血の巡りを悪くするものが多いので要注意。
⑦陰虚(パサパサちゃん)
体内の水分が少なく、のどの渇きや皮膚の乾燥に悩むタイプです。アツアツちゃんほどではないにせよほてりやすいため、体を温めるものは控え、夜しっかり眠ることで体内の陰陽バランスを取ることが大切です。
⑧水毒(プクプクちゃん)
体内の水分が過剰、あるいは滞ってむくみがちなタイプです。水分の取りすぎを控え、適度な運動で汗をかくことが大切です。

いかがでしょうか?自分に当てはまるのはどれか知りたくなりますね。
後半は各体質を改善するための食材やおすすめの薬膳茶ブレンドなどを体験するワークショップをしました。近々治療院でも体質チェックリストや薬膳茶作りなどを体験して頂けるよう、準備していきます。どうぞお楽しみに!